亡くなってもなお、輝き続ける人がいる。
わたしにとって、そんな中の一人に、向田邦子がいる。
ラジオの脚本から手がけ、いつしかテレビドラマの売れっ子
脚本家となり、直木賞まで受賞した彼女は、昭和56年の
飛行機事故で、帰らぬ人となった。
そんな彼女について、彼女ゆかりの人が語っているのが、
「向田邦子ふたたび」である。
彼女の生前のスナップや、買っていた猫、こだわっていたもの、
後に妹と開いた小料理屋、「ままや」のメニューなど、向田邦子ファン
なら、うれしいものばかりが載っている。
彼女のエッセイも掲載されており、向田邦子をしらない人でも
楽しめる内容となっている。
そしてなにより、実際に向田邦子と一緒に仕事をしたり、
旅行をした人たちから語られる、向田邦子の姿が、とても愛おしいのだ。
もし彼女が生きていたら・・・しばしばそう考えることがある。
彼女が生きていたら、どのように今の日本を、言葉にするのだろうか。